「ふくろ」で始まって「くも」で終わるおはなし
2013年 03月 13日
たんぽぽ会30周年展の展示に、13年前に作った共同制作の絵本があった。
3、4人ずつのグループに分かれて、同じテーマで絵本を作る、というもの。
テーマは「OOで始まってOOで終わるおはなし」。
全員がカードに思い思いの言葉(馬、夢、家、風、星・・・なんでもいい)を書き、2枚のカードを選ぶ。無作為に選んだカードで、たとえば「馬で始まって風で終わるおはなし」みたいなテーマが決まり、それに沿っておはなしを考えて行くのだ。
そして、そのときのテーマは「ふくろで始まってくもで終わる」だった。
◎4つのグループが作った「ふくろで始まってくもで終わるおはなし」
◎みんな夢のあるおはなしを考えた。ふくろの上に木の実がぽとんと落ちたり・・・
◎どうぶつたちが「なんだろう」とふくろの周りに集まって来たり・・・
◎でも、私たちのグループが作ったのは「ふくろにだけはなりたくなかった」というタイトルの暗~いおはなし。
文章を書いたのは・・・わたしデス。
絵を描いたのは、私と組んで何冊かの絵本を作ったM・Kさん。
あとの二人は、「製本」と「文字入れ」。おはなしの内容に、あまり前向きな気持ちになれなかったのかも・・・。
◎こんなおはなしです。(作者名は、せめて、ということでHappys)
「ふくろにだけはなりたくなかった」
ああ ふくろになんか なるんじゃなかった
ものを いれるだけの
からっぽの つまらない じんせい
さいごは あながあいて ぼろぼろになって おわるだけ
おれだって さいしょは
ゆめも きぼうも あった
はじめは ゆうめいブランドの ブティックで
おじょうさんの すてきな ワンピースを
いれてもらえたのさ
だけど ふるぎを つめこまれて
バザーに だされちゃった
おじょうさんに かわいがってもらいたかったのに
ふくろなんて すぐ おはらいばこに なるんだ
そのあと おばさんが たくあんを
ぎゅうぎゅう つめこみやがった
くさいのなんの・・・
ふくろは じぶんで
いれるものを えらべないのさ
しまいには こどもが めと くちの あなを あけて
ロボットごっこだって
ふくろになんか なるもんじゃないよ
なんで ふくろになんか うまれたんだろう
うんめいに ふりまわされるだけの じんせい
こんど うまれるときは
あの そらの くもになりたい
くもになって じゆうに
ひろい せかいを ただよって すきな ところに いくんだ
ああ くもになんか なりたくなかったわ
かぜに ながされるだけの
ふわふわの つまらない じんせい
さいごは あめになって
びしょびしょ ふらせて おしまいよ
どうして くもになんか うまれたのかしら
こんど うまれるときは
あそこに ねている ふくろに なりたい
ふくろになって いろいろなものを いれてあげて
たくさんの おともだちを つくって たのしく いきていきたいわ
3、4人ずつのグループに分かれて、同じテーマで絵本を作る、というもの。
テーマは「OOで始まってOOで終わるおはなし」。
全員がカードに思い思いの言葉(馬、夢、家、風、星・・・なんでもいい)を書き、2枚のカードを選ぶ。無作為に選んだカードで、たとえば「馬で始まって風で終わるおはなし」みたいなテーマが決まり、それに沿っておはなしを考えて行くのだ。
そして、そのときのテーマは「ふくろで始まってくもで終わる」だった。
◎4つのグループが作った「ふくろで始まってくもで終わるおはなし」
◎みんな夢のあるおはなしを考えた。ふくろの上に木の実がぽとんと落ちたり・・・
◎どうぶつたちが「なんだろう」とふくろの周りに集まって来たり・・・
◎でも、私たちのグループが作ったのは「ふくろにだけはなりたくなかった」というタイトルの暗~いおはなし。
文章を書いたのは・・・わたしデス。
絵を描いたのは、私と組んで何冊かの絵本を作ったM・Kさん。
あとの二人は、「製本」と「文字入れ」。おはなしの内容に、あまり前向きな気持ちになれなかったのかも・・・。
◎こんなおはなしです。(作者名は、せめて、ということでHappys)
「ふくろにだけはなりたくなかった」
ああ ふくろになんか なるんじゃなかった
ものを いれるだけの
からっぽの つまらない じんせい
さいごは あながあいて ぼろぼろになって おわるだけ
おれだって さいしょは
ゆめも きぼうも あった
はじめは ゆうめいブランドの ブティックで
おじょうさんの すてきな ワンピースを
いれてもらえたのさ
だけど ふるぎを つめこまれて
バザーに だされちゃった
おじょうさんに かわいがってもらいたかったのに
ふくろなんて すぐ おはらいばこに なるんだ
そのあと おばさんが たくあんを
ぎゅうぎゅう つめこみやがった
くさいのなんの・・・
ふくろは じぶんで
いれるものを えらべないのさ
しまいには こどもが めと くちの あなを あけて
ロボットごっこだって
ふくろになんか なるもんじゃないよ
なんで ふくろになんか うまれたんだろう
うんめいに ふりまわされるだけの じんせい
こんど うまれるときは
あの そらの くもになりたい
くもになって じゆうに
ひろい せかいを ただよって すきな ところに いくんだ
ああ くもになんか なりたくなかったわ
かぜに ながされるだけの
ふわふわの つまらない じんせい
さいごは あめになって
びしょびしょ ふらせて おしまいよ
どうして くもになんか うまれたのかしら
こんど うまれるときは
あそこに ねている ふくろに なりたい
ふくろになって いろいろなものを いれてあげて
たくさんの おともだちを つくって たのしく いきていきたいわ
by pataponm | 2013-03-13 16:20 | 創作童話