ぼうしが ほしい うさぎさん
2013年 04月 26日
たんぽぽ会30周年展に出品するためにずい分前に作った絵本を引っ張りだして来たので、ご紹介します。
ぼうしが ほしい うさぎさん(表紙)
ぼうしが ほしい うさぎさん (中表紙)
もりでは いま ぼうしが おおはやりです。
だれかが とびきり すてきな ぼうしを かぶって もりを あるいたのに ちがいありません。
だれだって すてきな ひとを みれば ちょっと まねを してみたく なるものですからね。
おかげで こぶたの ぼうしやさんは だいはんじょう。
くまさんが きました。
「ぼうしを ください」
「わおぅ、かっこいいなぁ。こうちょうせんせいに なったみたいだ」
あひるさんが きました。
「わたしにも ぼうしを くださいな」
「まあ、すてき。おでかけが たのしくなりそうよ」
(左)かばさんの ぼうしは おなべみたい。
(右)りすくんの ぼうしは くるみそっくり。
(左)ねこさんの ぼうしは ケーキみたい。
(右)おさるさんの ぼうしは ビィルディング。
みんな ぴったりの ぼうしを かって おおよろこびです。
そこへ うさぎさんが きました。
「わたしにも ぴったりの ぼうし あるかしら」
(左)「みみが じゃまで かぶれないわ。ちいさいのが ほしいのよ」
(右)「ちいさすぎて おちちゃうわ。すっぽりかぶれるのを ちょうだい」
(左)「みみあてを かいに きたんじゃないのよー。あたまに かぶれる ぼうしが ほしいのよー」
(右)「いやだー。わたし おばけじゃなーい」
あれも だめ これも いや。
うさぎさんは みんなと おなじ はやりの かっこうが できないので 「わーん わーん」と なきました。
(左)そのとき あひるさんが そっと ぼうしを かぶせて くれました。
(右)「あら ぴったり。わたしに ぴったりの ぼうだわ。あひるさん ありがとう」
「いいのよ。わたし また あたらしいの かうから」
うさぎさんは おあつらえむきの ぼうが みつかったので うれしくて うれしくて とびはねて うちへ かえりました。
でも うさぎさんが ちょうどいい ぼうしを みつけたころ もりの みんなは もう ぼうしに あきてしまいました。
そして こんどは かわいい パンツが はやりはじめたのです。
だれかが とびきり すてきな パンツを はいて もりを あるいたのに ちがいありません。
◎娘にかわいい模様のパンツを買ってあげたら頭にかぶって「(耳を通す穴があいてるから)うさぎさんのぼうしだー」と言ったことにヒントをもらって作った。
みんなが持っているものをすぐに欲しがって、いざ買ってあげようとすると「あれもいや、これもいや」となる娘へのちょっとした戒めもこめているんですけどね。
これを作ったころ、娘は小学校低学年でした。
だれかが とびきり すてきな ぼうしを かぶって もりを あるいたのに ちがいありません。
だれだって すてきな ひとを みれば ちょっと まねを してみたく なるものですからね。
くまさんが きました。
「ぼうしを ください」
「わたしにも ぼうしを くださいな」
(右)りすくんの ぼうしは くるみそっくり。
(右)おさるさんの ぼうしは ビィルディング。
「わたしにも ぴったりの ぼうし あるかしら」
(右)「ちいさすぎて おちちゃうわ。すっぽりかぶれるのを ちょうだい」
(右)「いやだー。わたし おばけじゃなーい」
うさぎさんは みんなと おなじ はやりの かっこうが できないので 「わーん わーん」と なきました。
(右)「あら ぴったり。わたしに ぴったりの ぼうだわ。あひるさん ありがとう」
「いいのよ。わたし また あたらしいの かうから」
そして こんどは かわいい パンツが はやりはじめたのです。
だれかが とびきり すてきな パンツを はいて もりを あるいたのに ちがいありません。
◎娘にかわいい模様のパンツを買ってあげたら頭にかぶって「(耳を通す穴があいてるから)うさぎさんのぼうしだー」と言ったことにヒントをもらって作った。
みんなが持っているものをすぐに欲しがって、いざ買ってあげようとすると「あれもいや、これもいや」となる娘へのちょっとした戒めもこめているんですけどね。
これを作ったころ、娘は小学校低学年でした。
by pataponm | 2013-04-26 10:54 | 創作童話