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関東地方 2週続きの大雪 ②

実家の父が「すごい雪だね」と電話して来た。
玄関から門まで行けなくなっていると言う。「食料は、燃料は?」と聞くと、食べる物は余るほどあるが、灯油がなくなりかけていると言う。すぐに灯油屋に電話して、と言っても「とてもトラックが入れる状態じゃないから注文したって届けられないよ」と言う。
役所に頼んで除雪してもらえば、と言っても「個人の庭までやってもらえないだろう」と言うばかり。

おっとりしている父がもどかしく、実家のある市役所に電話を入れた。
「93歳で一人暮らしの父が、雪のために孤立状態になっていて、燃料も切れかかってます!」
というテンションで話したのに、「高齢者なんとか」という係に回されて、担当の人が
「(除雪とか)そういうことは、市の方ではやっていません」と言う。
「でも、玄関から門まで行けない状態なんですよ」と訴えても、
「ご近所の方はやってくれないんでしょうか」
「近くにご親族はいらっしゃらないんですか」
「シルバー人材センターで、請け負ってはいますが、今は雪かきの要請が多くて人手がないと思いますよ」
などと言うばかり。

このまま老人一人雪に封じ込められて、灯油も切れ、停電でもしたらどうするんだ。隣接するO町やH村には自衛隊が入って孤立した集落の除雪に当っているというのに、個人の家が雪に埋まっても誰も助けてくれないのか。

ニラミ合いのように電話越しにしばらく沈黙が続いたが、
「じゃあ、その人材センターの電話番号を教えて下さい」と私が聞いて引き下がる。
役所って、役所って・・・。

人材センターでは、やはり人が出払っているということで、明後日(イミない!)まで予約でいっぱいとか。
しかし、「93歳でお一人暮らしですかぁ・・・。ちょっと調整してみますね」と言ってくれて、しばらくして明朝入れます、と連絡をくれた。

翌朝電話したら、「今来てるよ。」と言っていた。道具を使って3人がかりでやってくれていると。「おじいさんばかりだけどね」
そりゃ、シルバー人材センターですから~。それでも父より20歳以上若いはずだ。
夜また電話したら、除雪は夕方までかかったが、これで灯油も注文できる、と喜んでいた。
「一人1時間につき1150円」と聞いていたので、3人がかりで6時間ぶん・・・? 請求が来るのだろうか。
再び、「隣り村には機動隊が入っているのに」という思いがふつふつと・・・。
いっそ、役所ではなく警察に電話すればよかったのかなぁ。

翌週末、夫と実家へ行った。
大雪から1週間、好天が続いたこともあり、道路は乾いていて実家へ行くのに何の支障もなかった。
でもやはり、記録的な大雪、除雪して脇に積まれた雪の量が半端ない。

◎実家近くの大型ショッピングモールの駐車場。寄せた雪が山になっている。
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◎ん? 車は縦列駐車?
雪の山に邪魔されて、普通に駐車できなくなっているのだ。
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◎車道にはみ出した雪のために車は一車線しか走れなくなっている。
作業中のショベルカーや雪を積んだトラックを見かけた。
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◎ガレージの屋根が雪の重みで崩れているところがあった。屋外のガレージでこの被害にあった家は多かったようだ。
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◎実家の庭は、きれいに除雪されていた。1週間たってかなり溶けていたけれど、70㎝くらいは積もったらしい。
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◎花ザクロの木の枝が二か所折れていた。
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◎実家は、裏が小さな川に面している。人材センターの人は、除雪した雪は川に捨てていたそうだ。
その川向うには杉林があり、杉の大木が1本、根元から折れ・・・、
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◎庭のフェンスを壊して倒れ込んで来ていた。かなりの大木で、木が川の上を橋のようになって横たわっている。
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自宅へ戻ってから、また役所に電話する。今度は農林課というところが出て、林が市のものなら木の処理やフェンスの補償は市でやるが、ここは個人のものなのでできない、と言う。
それから所有者を調べてまた電話をくれたが、相手の連絡先は「個人情報なので教えられない」と言う。
役所って、役所って・・・。

そのあと、市がのその所有者と連絡を取ってくれて、市はいったん手を引くので所有者と直接交渉してほしい、ついてはそちら(私)の連絡先を先方に知らせていいか、と聞く。
あそこは何十年も人が入っているのを見たことがない林、下草も刈ってない放置状態の林なのだ。所有者がすごく恐くていやーな人だったらどうしよう・・・。
なんだか、犯人の連絡先は個人情報保護のため教えられないが、あなたの連絡先は犯人に知らせます、と言われてるみたいな・・・。
でも仕方がないので「構いません」と答える。

翌朝、実家に電話したら父が
「なんか、今人が来て木を撤去してるよ」と言う。私が役所に電話してやってもらったと話すと驚いていた。
親切な人が気づいてやってくれてると思っていたらしい。
「感じのいい、いい人だよ」と父。よかった。フェンスの補償もしてもらえるのか、と聞くと
「フェンスは、うちのものだからしょうがないだろうね」と言う。
えーーっ、そうなの?!

雪国で木が折れないのは、気温が低くて雪が軽くさらさらしているからだと、雪国育ちの夫が言った。
関東で滅多にない大雪が降ると、雪が水を含んでとてつもない重さになるらしい。
埼玉では体育館の屋根が崩落した。
それから、こっちでは地面が見えるまで除雪するけど、雪国ではどうせまた積もるから、踏み固めるだけなんだと言う。
集落が雪のために孤立化する、という事態も理解できないそうだ。

子供のしたじきで雪かきしたり、革靴で歩いて転んだり、雪が落ちて来るのを知らずに屋根の下を歩いたり、ノーマルタイヤの車でスリップしたり、雪を知らない人々。
あらゆる路線が運転見合わせとなり、高速道路は閉鎖となり、除雪車がないからショベルカーで除雪をし、多くの地域で停電となり、スーパーからは商品が消え・・・、雪を知らない都市。
いろいろな要素が重なって、雪国なら当たり前の大雪が、首都圏をマヒさせるのだ。
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by pataponm | 2014-02-28 11:29 | 実家  

関東地方 2週続きの大雪 ①

関東地方に、2週にわたって記録的な大雪が降った。

◎2月8日の雪。この時点ではまだ「16年ぶりの雪」だった。
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まだまだ降りそうだったので、動けるうちに雪かき用のシャベルを買って来てもらう。
うちには先のとがった、雪かきには不便なシャベルしかなかったのだ。
それすらない家庭もあったらしく、テレビの中継では、子供の「したじき」で雪かきをしているお父さんがいた!

16年ぶりといえば、家族みんなで町中を歩き回って雪見をしたのを思い出す。娘と息子は、生まれて初めての大雪にはしゃいで、近所の子供たちと、かまくら作りをして遊んでいた。
私は忘れていたが、息子の話だと
「次にこんな雪が降るのはいつかな、って聞いたら、お母さんが『Rくんの声が、こ~んなに低くなったときじゃない』って(低~い声で)言ってた」そうだ。
その通りになったね、と笑っていたら、雪はさらに降り積もり、21年ぶり、ついには45年ぶりの大雪ということになった。
45年前の大雪も覚えている。学校の水飲み場から窓越しに校庭の雪を呆然と眺めた記憶がある。

夫には、一日かけて雪かきをしてもらった。
土日の雪でほんとーによかった~。

・・・と安堵していたら、翌週の土日にはさらにこれを凌ぐ大雪となった。関東地方としては、観測史上初である。
その日は、アマチュア演奏家が全国から集まるコンサートに出演予定の日で、横浜まで行かなければならなかったのだ。


b0134988_10102619.jpg家から都心への唯一の交通手段である路線は朝から「終日運転見合わせ」を宣言、車で乗り換え駅まで行こうと出たら、深い雪を車の腹でこすってバッテリーアラームがピーッと鳴った。そのまま車屋へ。雪が巻き込まれてエンジンの中に入ったらしい。
だましだまし、再び車を動かし始めたが、大渋滞で全く進まなくなった。
乗り換え駅を目指すのは諦めて、動いているか分からない別の路線の駅へ行く。

車道にも雪が積もっていて、車の轍が道の真ん中にあればいいが、あちこち雪のこぶがあるモーグル状態になっているところもあり、がたごとと進んだ。
あとから聞いた話だが、埼玉県には除雪車が1台もないそうだ。
至る所で雪かきをしている人がいたが、皆さん、集めた雪を「びしゃーっ」と、車道に投げて来るんですねー。「車で踏んで溶かして」ってか。

駅前の駐車場はどこも雪が積もっていて進入できない。たまたまスーパーの従業員たちが雪かきをしている駐車場があったのでようやく停めることができた。
ここまでで既に昼。ステージリハーサルは無理なのでキャンセルの連絡を入れる。
「本番も間に合わないかも」「ここまでして行く意味があるのか」「客は来ないだろうし」と、くじけそうになりながらスーパーのベンチで弁当を食べていたら、窓越しに電車が動くのが見えた。
次の電車は40分待ち、というのを辛抱強く待って、ようやく上野行きの電車に乗った。
そこからは、間引き運転ながらなんとかつながって、家を出てから5時間、ようやく会場にたどり着く。

着いてみて驚いたのは、出演者は1グループを除いて全員集まっていて、ステリハもこなしていたということ。
「もし全国からの出演者が全員揃っていて、うちだけ行けなかったら、一番近い埼玉だけに、恥だね」と話していたのだが、考えてみれば「関東地方」の大雪、最も大変なのは「一番近い」ところだったのかも。
でも、神戸から来たグループは、大雪を見こして2日前から来ていたと言っていた。
お客さんもかなり入っていて、コンサートが始まったら、会場の中は何事もなかったかのよう。

もしかして、本番間際に普段着で濡れたスノーシューズのままステージになだれ込むことになるのかなー、と心配していたが、ステリハはできなかったものの、楽屋で少しだけ練習して、ふだん通りの演奏はできたと思う。
というか、ここまでの行軍があまりにも大変だったので、演奏についてはもうどうでもよくなっていて、それで却って上がらずに弾けたのかも~?
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by pataponm | 2014-02-28 10:11 | 音楽