京都へ ~甥の結婚式 2~

翌朝6時前に起床して、結婚式列席のための身支度をする。ドレッサーに向かっていた娘が「穴がふさがってる!」と悲痛な叫び。数か月間の教員生活の間ピアスをしなかったので、穴がふさがりかけていたのだ。顔を真赤にして痛みをこらえてピアスを押し込み、薄皮突破! おしゃれのためにはこんな苦労もしなければならない。

◎9時に披露宴会場に集合。会場となるパビリオンコートは、大正期に建てられた古い洋館でレストラン、結婚式、各種パーティー、ギャラリーなどに利用されている。バイオリニストのハイフェッツ、メニューイン、スターンなども来館したようで、写真とサインが飾られていた。
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◎そこから新郎新婦は「寿」と書かれた飾のついた専用車で、私たちはタクシーで式場となる平安神宮へ。
私は神式の結婚式に初めて列席した。写真右の渡り廊下を一列になってしずしずと式場へ進み、古式ゆかしく挙式が執り行われた。雅楽奏者たちの演奏に合わせて巫女たちが舞を舞う。
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◎滞りなく結婚の儀が執り行われ、新郎新婦は人力車に乗って再び披露宴会場へ戻って行った。徒歩で10分の距離とはいえ、知った人もない一般の公道をこのようにめでたい姿で走って行くのだ。
無口で内気だった甥が新婦のEさんと巡り合って以来の激変ぶりには驚きの連続だったが、娘にとってはこの人力車が「とどめ」だったようだ。「あのSちゃんが!」と何度も感嘆の声を上げていた。
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◎私たちは、あとからゆっくり歩いて戻った。平安神宮をお参りする時間はなかった。
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◎南禅寺や知恩院も近いこの界隈、道を歩いていても一般の家屋などに思いがけず古い建物を見かける。これはお菓子屋さんのようだ。
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めでたいこの日は11月22日。「いい夫婦の日」だ。1年で最も挙式の希望が殺到するこの日に、最も名門の式場と披露宴会場を押さえたのは、しっかり者の新婦のEさんの熱意らしい。学生時代に来て、「結婚するなら絶対ここで」と、結婚相手が決まる前から決めていたようだ。
披露宴でのスピーチでも、「しっかり者でやり手の新婦と、堅実だが大人しい新郎」の対比が浮き彫りにされた。新入社員として二人を指導した上司の方は、Sが「お話があります」と言って来たときはてっきり辞めるのかと思ったそうだ。そうしたらなんとEさんと一緒に現れた。「こいつは、一人で辞表も出せずにEさんに付き添ってもらったのか」と思ったら結婚しますという話だった、というスピーチに会場は爆笑となった。
確かに対照的な二人だが、互いに足りないところを補って支え合っている本当にお似合いのカップルだと思った。

楽しいスピーチやスライド上映が続く中、次々と料理が運ばれて来る。新郎親族席で叔母が料理の写真を撮るなんてまずいかな、と思ったが、隣の娘や姪たちも撮っている。親族席は振り返らなければ見えない場所なんだし、と開き直った。ひんしゅく買っていたらごめんなさい。

料理は、「二人の出身地である島根、滋賀、 二人が大学時代を過ごした京都、 二人が出会った岐阜の食材を使ったオリジナルメニュー」
以下、メニュー表に書かれていた料理名を転載する。

◎「色鮮やかな根菜類と貝柱・サーモンのテリーヌ エストラゴン風味」
 紅芯大根・聖護院大根・京人参と貝柱をスモークサーモンで囲んである。
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◎「シャラン鴨と堀川牛蒡のファルシ フォアグラ添え マデラ酒のソース」
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・・・・と、ここで「新郎の叔母様と従妹さんによる演奏」ということになってしまい、「香ばしく焼き上げたカリカリのフォアグラ」を横目に席を立った。Sと同い年の娘が短いスピーチをして、エルガーの「愛の挨拶」を演奏。昨日、荷物抱えて歩きまわったために筋肉痛になったせいか、シャンパンとワインを飲んでしまったせいか、腕が震えてあまりうまく弾けなかったが、二人の門出を祝い、心をこめて演奏した。

◎「近江蕪と大和蜆のポタージュスープ カプチーノ仕立て」
 島根県・宍道湖の大和蜆の旨みを使った滋賀県・近江蕪のポタージュスープという、二人の出身地の融合料理だ。ハートの浮実も気が効いている。
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◎「鱸と壬生菜のカダイフ包み 酢橘のソース」
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◎「三千盛と柚子のシャーベット」   
三千盛は二人が出会った岐阜の地酒。ここでシャーベットが出るのは、魚料理と次に出るメインディッシュの肉料理のつなぎとしての口直しらしい。

新婦のご両親がこちらの親族席にビールを注ぎに来てくださり、バイオリンの話から新婦のEさんが中学高校時代はブラスバンドでクラリネットに熱中していた話などをする。
はっと気付くとシャーベットが溶けかけているので慌てて食べ・・・、写真を撮り忘れた。

◎「特選牛フィレ肉のステーキと挽肉と椎茸ファルシ九条葱のブレゼ・紫芋のクロケットと共に」
椎茸は岐阜産、葱は京都。
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◎「プリン・トンカ豆のアイスクリーム・イチジクのタルト」
トンカ豆というのはどういう豆なのか知らないが、不思議なこくと香りのあるアイスクリームだった。
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二人の子供時代からのスライドや、両親と一緒のキャンドルサービスなどさまざまな企画で宴を盛り上げ、滞りなく披露宴が終わった。二人は年末にイタリアに新婚旅行に旅立つそうだ。

兄一家と別れて近くの美術館に行った。息子は市立美術館の二期展へ。小学校のときに習っていた絵の先生のご主人が出品していると案内をいただいたのを東京で見逃していたが、京都への移動展で見ることができた。私は向かいの近代美術館で常設展を、娘は仕事が気になって、カフェでお茶を飲みながら生徒にやらせる課題作りをしていた。

◎近代美術館4階のロビーから向かいの市立美術館を見る。平安神宮の鳥居の大きさが際立つ。
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披露宴のあとは南禅寺で紅葉見物・・・などと計画していたが、雨も降り、荷物の重さにも辟易していたので、美術館を出てすぐ京都行きのバスに乗る。
ところが大変な渋滞で京都駅まで1時間半くらいかかった。満員バスで立ちっぱなし。シーズンの京都見物は苦行ともいえる。
それでも新幹線の時間の1時間前には京都駅に着き、お土産も買うことができた。

◎新幹線の中で食べた駅弁。若い二人の幸せを祈りながら帰路につく。
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by pataponm | 2009-11-25 12:54 | 近場のおでかけ・旅行  

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