サボる

M先生の英語クラスでの雑談中、「サボる」という日本語は「サボタージュ」から来ているという話が出た。在日20数年のM先生はびっくり。日本語を不自由なく話し、英語を話しているときでも、たまに日本語の方が先に出てきて「うーん、これ英語でなんて言うんだっけ・・・」と頭を抱えるくらい日本語通の先生が、「サボるは完全に日本語だと思っていた。」と言う。「さぼる」という漢字もちゃんとあるんだろうと。(作放るとか?)
だいたい、英語の名詞を日本語の動詞にしてしまうのが信じられない、「テストする」とか「リライトする」とか「ダッシュする」のような「英語+する」の言葉ならまだ分かるが、言葉そのものを動詞化して活用しちゃうなんて・・・、とM先生は感心しているのか憤慨しているのか分からないようなことを言い、来週までに他に「サボる」のような「英語+る」言葉を集めてきて教えて!ということになった。

さっそく考えてみたが、「パクる、チクる・・・、いやこれは日本語だ」と、意外に頭に浮かんで来ないものだ。
ちょうど練習のために音楽仲間に会ったので聞いてみた。化学専攻のKさんは「研究室では、飽和することを『サチる(saturation)』と言ってた」、Jさんは「学生がちょっとした物をふざけて盗ってくることを『ギる(語源不明、ドイツ語らしい)』と言ってた」などを挙げたが、専門的だったり初めて聞く言葉だったり。
「テンパる」が出たが、麻雀のテンパイからきているから中国語だ。

娘にメールで聞いてみた。仕事中けして返信して来ない娘がすぐに返して来て「デコる(若者言葉で携帯や持ち物にシールなどを貼って飾り立てること)」という例を挙げてきた。
それから30分ほどしてまたメール、開けてびっくり。
「ダブる」 「ミスる」 「トラブる」 「パニクる」 「メモる」
と列挙してあった。なるほどなるほど、言われればそうだという言葉だが、思いつくとはさすが国語の先生、「お見事!」と返信したら「職員室の隣&斜め前の先生にも協力してもらった」と。その後またメールの着信音があり、開けてみたらたった一言「ハモる」。言葉に興味のある娘、けっこうのってます。

Kさんもあとからメールしてきて「トラブる ハモる」と見つけてくれた。「今日一日、頭の中がこれでいっぱいになってしまった」と。(せっかく見つけてくれたのに、娘が集めた言葉と『ダブって』しまいましたが・・・)

最近の幼児虐待のニュースから「ネグる」という言葉を聞くようになったし、ネットで検索することを「ググる」というのはかなり広まっているらしい。

どなたか、他にもあったら教えてください!

ところで、「サボる」の語源 sabotage はフランス語だ。でもM先生は英語と言っていた。以前にも「bouquet はフランス語ですよね」と聞いたら、むっとしたように「どうして? 英語よ!」と言ったことがあった。どうやらアメリカ人には「外来語」という概念がないらしいのだ(試しに和英辞典で『外来語』を引いてみたら該当する言葉はなかった。)。
「元はフランス語かも知れないけど、アメリカ人が使っていれば英語なの」とM先生は断言する。shiitake や karaokeも、アメリカ人に「何語?」と聞いたら「英語」と答えるのだろうか。

今読んでいるマーク・ピーターセン著「英語の壁」という本に、それに関連した面白い話が載っていた。
「『バカ息子』のバカさ加減」という過激なタイトルの章で、ブッシュ前大統領がいかに無教養でおかしなことばかり発言していたかという内容の文の中の話だ。

「英国のブレア首相との会談で、ブッシュは『ここだけの話』としてこんなことを言った。
" The problem with the French is that they don't have a word for 'entrepreneur.'" (フランス人は企業家-entrepreneur-という言葉を知らないから困るよ)」

ブッシュは、"entrepreneur" という言葉がフランス語だということを知らなかったのである。

◎西の空。(2010.9.5)
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by pataponm | 2010-09-24 11:38 | 英語  

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