お盆の帰省 2日目

朝、隣りの家の人が「畑でとれました」と言って野菜を持って来てくれた。よく頂くそうで、廊下の籠に八百屋では見られないくらいピカピカのピーマンや茄子が入っている。でも、独り暮らしでは食べ切れないらしく、下の方にはしなびて食べられなくなった野菜が隠れていた。
「この野菜は見たことないが、生で食べられるそうだ」と、義父が台所のテーブルに置いた野菜を見ると赤いパプリカだったので、薄切りにしてきゅうりと一緒に三杯酢にして朝食に出す。
朝食が終わったころ、M叔母夫婦が来た。「今朝5時に起きて作った」という煮しめ、ぜんまいの煮物、赤飯、ぼた餅、漬物などを山ほど持って来てくれた。
叔母と一緒に仏壇のお飾りをする。毎年お盆には特別なお供えをするのだ。
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◎お盆の仏壇の飾り

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◎上から見たところ。娘が思わず「かわいい!」と言った中央のお膳には、煮物、胡麻豆腐、漬物、汁、ご飯が少しずつよそってある。箸も置いて仏壇の方へ向けて供えて仏様に食べていただく。ご馳走は、最初の仏さんがお腹いっぱい食べてから次の仏さん・・・という風に食べて行くので、お盆の間、毎日新しくよそってご馳走を絶やさないようにしないといけないそうだ。仲良く分け合って食べればいいのに・・・?
お膳の下にはきゅうりをみじんに切ったものを水に浮かべて草を一本渡す。これの意味は、草の名前は・・・?聞くのを忘れてしまった。茄子の牛、きゅうりの馬はよく知られているもので、これに乗ってお盆に仏さんが帰って来るのだ。大きな蓮の葉の上の五箇所に餅を置くのは、今年は色紙を切って代用していた。

午後、隣りのS市へ買い物に行く。
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◎庄内の野菜。左は夕顔。山形では大きな夕顔の実が丸ごと売られている(これは半分に切ってあるが)。かんぴょうにするだけでなく、薄味の煮物にして食べるのだ。右はからどり芋。これを干して納豆汁などに入れると美味しい。山形名物の芋煮には欠かせないものだそうだ。両方とも、私は結婚するまで見たことも食べたこともなかったが、庄内では日常的に食べているもので、「庄内からどりの味をまるごと楽しむ会」というHPまであった。

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◎庄内の漬物。「ぜんごづけ」「でごづけ(大根漬け。大根が庄内弁でなまると『でご』になる。)」「しなべきうり」「小茄子の辛子漬け」など、美味しい漬物がいっぱい。

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◎山形で「酒かす」といえば、薄茶色の柔らかいこれをいう。粕漬けに使うもので、下には麹、ざらめなどの「漬物グッズ」も売られている。関東で「甘酒」というと、板状にプレスされた白い「酒かす」をお湯でといて砂糖を加えたものだが、東北では、麹を発酵させたものだ(砂糖は加えなくても十分甘くなる)。この「酒かす」で甘酒は作らないだろう。

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◎帰省すると必ず買って帰る物。左から「塩納豆」。納豆、麹、昆布などを塩味で混ぜてあって、とろとろで、ご飯にかけるとたまらなく美味しい。「しなべきうり」は胡瓜をリンゴ酢に漬けたもの。他のどんな胡瓜漬けより美味しい。右上はきなこねじり。関東にはない青きなこを水飴で練ったお菓子で柔らかく美味しい。似たものはいくらもあるが、これに限る。

買い物のあとは、S市に生まれた写真家、土門拳の記念館へ行った。
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◎途中に「こあら」という交差点があった。普通の地名なのだろうが、こうして見るとかわいい。

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土門拳記念館は、水辺に建つ素敵な建物だ。

土門拳は、仏像ばかりを撮り続けた写真家・・・という風に思っていたが、風景や人物など様々な題材で作品を残していた。市井の人々、特に子供の表情を撮った写真は素晴らしかった。仏像の写真も、何百年も前からそこにあって不動の仏像をさらに写真に撮ることに何の意味があるのだろう、と見る前は思っていたが、とても感動的だった。実物を見るよりも、歴史や思想といったものが凝縮され重く感じられるような気がした。
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by pataponm | 2008-08-13 17:37  

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