へりくつ へんくつ へらずぐち  =2歳~3歳=

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 2歳
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「まいちゃん、おとうさんのひげそり、さわっちゃだめよ!」
「まいちゃんのは? まいちゃんの『ひげそり』、かってよお!」
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◎ドーナツ
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母が週に一回、公民館の保育付き市民講座に通い始めた。ドーナツ屋の前を通るたびにまいは食べたがる。あまりしつこくねだるので根負けし、一回くらいならと
「じゃあ、今日は帰りに食べようか。」と約束した。
保育室に入るなり、まいは先生に
「まいちゃん、きょう、かえりにドーナツたべるの。」と話した。
「あら、いいわねえ。まいちゃんが食べたいって言ったのね?」
「ううん。ちょうど おかあさんが たべたかったからなの。」

◎なんでもしてくれるロボット
 まい、自分の胸をトントンとたたいて
「これ、『なんでもしてくれるロボット』」と言う。しめた!とばかり
「その本、本だなにかたづけてくださーい。このパンツは洗濯かごでーす。」
日ごろ、言ってもやらないことをどんどん言いつけた。まいは
「ハイハーイ、ピコピコピコ。」と、ロボット歩きでやってくれる。
 こりゃいいや、と調子にのって
「お皿、流しに運んでくださーい。」
と言ったら、まい、もう一度胸をたたいて、今度は
「これ、『なんにもしてくれないロボット』」
と、ロボット歩きでむこうへ行ってしまった。


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 3歳
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「まいちゃん、くつ反対にはいてるよ。」
「おかあさんからみると はんたいでも、まいちゃんからみると いいの!」

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◎看病
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 母が風邪をひいて熱を出してしまった。
ふとんに入ってうんうんうなっていたら、まいがあぶなっかしい手つきで水を持ってきてくれたり、びしょびしょにぬらしたタオルで顔をぬぐってくれたり、かいがいしく(?)世話をして、母を少しも休ませてくれない。
 でも、せっかくの同情心、無にしてはいけない、とがまんしていたら、
「さ、おかあさん、おきて まいちゃんとあそぼうよ。つらくてもがんばってよ。」

◎キラキラのくつ
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くつ屋の前のバスケットに、ラメ入りのキラキラ光るピンクのビニール靴がたくさん入っていた。まいは一目ですいつけられてしまい、その前でどうしても動かなくなった。
「まいちゃん、くつ いっぱい持ってるじゃない。」
と、あきらめさせようとしたが、
「このくつ、シンデレラのガラスのくつなの。まほうがかかってるから、これはくと、どこまでも元気で歩けるの。」
と、必死になって親をくどく。歩くのが大嫌いで、いつも親を困らせているまいが「どこまでも元気で歩く。」と言っているのである。
「本当に、歩くんだね。」
と、何度も何度も念をおして、とうとう買ってやった。
 まいは、「シンデレラのまほうのくつ」をはいて、意気揚々と歩き始めた。
ところが、ものの10分も歩かないうちに、いつもの「だっこ。」が出た。
「まほうのくつ、はいてるんでしょ! 元気に歩けるんでしょ!」
と励ますと、少しほこりをかぶって白っぽくなったくつを見て
「キラキラがなくなったからもう歩けないの。あのキラキラがまほうだったの。」

◎コーヒーミル
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 母がミルでコーヒー豆を挽こうとしていると、まいがかけつけて来た。
「まいちゃんやってあげる、まいちゃんやってあげる。」
「いいよ、いいよ。これ、ぼろぼろこぼれるから。」
「まいちゃんやってあげる、まいちゃんやってあげる!」
 仕方なしにやらせる。おぼつかない手さばきで豆をぶちまけそうになるし、粉になったコーヒーを床やテーブルにこぼすし、母ははらはらイライラ。
「はい、はい、はい。ありがと、ありがと。もう、けっこうよ。」
「きょうはまいちゃん、とくべつにやってあげたんですからね。あしたからはおかあさん、じぶんでやりなさいよ。」
それって、子供の自立をうながすために幼稚園の先生が使うセリフじゃあ・・・?
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by pataponm | 2008-10-02 17:12 | 創作童話  

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