母の遺したもの 織物

母が亡くなったあと、父はときどき「母さんは、可哀想なことをしたなぁと思うね。」と言う。今まで両親や兄を送って来たが、こんな気持ちになったことはあまりないね、と言う。
私が、「好きなことばっかり、毎日やって過ごしてたんだから、幸せな人生だったじゃない。」と言うと、「好きなことばっかりやって楽しんで生きてたから可哀想なんだよ。」と言う。

それほどまでに、母は好きなことに没頭し、熱中して取り組んでいた。人形作り、かばん作り、編み物、織物、合間に100坪の畑で野菜作り・・・

先日実家に帰った機会に、母の織物の作品を写真に撮った。実用的なショールや敷物、テーブルセンターなどは、買ってくださる人も多く、2度ほど開いた個展や人の紹介などでずいぶん売れてしまった。残ったのはわずかだが、売るつもりで保存していたのか、値札がついたままのもあった。
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◎母のアトリエに長い間掛かっている壁掛け。初期のころの作品で、いろいろな試みをしている。

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◎センターと敷物。上は木綿で下はウール。後年、北欧の織物に興味が定まると、スウェーデンから文字も読めない本を取り寄せて試行錯誤しながら北欧のデザインばかり織っていた。図案を決め、色を決め、何百本もの糸の操行通し(縦糸通し)をやれば仕事のほとんどは終わり、横糸を織り込んでいくトンカラリンの作業はそれまでの作業に比べればいかほどのこともないそうだ。
父のアトリエの奥に母の6畳の小さなアトリエがある。スウェーデン製の織り機を入れるともう部屋はいっぱい、そこで母は日がな手仕事をして過ごしていた。

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◎ストールとテーブルセンター。

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◎敷物2点。下側になっているのは裂き織りのようだ。
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by pataponm | 2008-10-17 10:47 | 母の遺したもの  

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